佐野は何回か周辺に来たり、あるいは通過している。しかし、中心街には入ったことがない。それと、佐野ラーメンも、どうもインチキっぽいのは食べたことがあっても、あの青竹手打ち麺の、ちゃんとした佐野ラーメンは食べたことがなかったので、以前から佐野に行きたいと思っていた。
そう思いたったら吉日で、いつか、いつか、なんて言っていると一生行きそびれてしまいそうで、仕事がそれほど無いと判断した午前中、いきなり佐野行きを決行した。最近、宇都宮の餃子を食べに行って、きちんと下調べしていなくて、旨い店にめぐり合わなかった苦い経験があってので、今回はばっちり調べた。いくつか候補の中から、比較的人気の高い「とかの」という店を第一候補にした。
まずはJRで船橋に出て、それから東武野田線で春日部まで行った。船橋からタイミング良く大宮行きに乗ったので、とてもラッキーだと思ったけれど、一旦柏で長らく停車するので、あまり意味が無かった。何故なら柏に停車中の大宮行きが先発なので、結局乗り換えるのだった。初めて知ったのだが、柏駅を要に、船橋方面と大宮方面は扇形に開いているのだった。即ち、船橋から大宮へダイレクトで行く列車に乗った場合、一旦柏駅に停車した後は、最後尾が先頭になって大宮に向かってゆくのだ。そういうのも体験してみたかったけれど、あまりにも時間が掛かりそうなのでやめた。
春日部からは久喜行きの急行に乗った。そこからは太田行きの普通。館林で約20分待って佐野線に乗り、船橋から2時間以上もかかって佐野駅まで来た。急ぐ旅じゃないとは言え、こんなに電車に乗ったのはずいぶん久々である。途中、羽生の辺りを通過するときに、田圃がところどころ刈り取りしてあって、それが市松模様のようで綺麗だった。田山花袋の「田舎教師」を思い出した。 |