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”湯殿山龍水寺大日坊の山門”
ここが通称ミイラ寺として全国に名を馳せる、いや、ミイラという呼び名は失礼だな、即身仏のお寺である。
でも、有名な割りに藁葺き屋根の質素な雰囲気。
それに周囲にはみやげ物屋も民家も無い寂しいところだ。 |
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2001/8/19
2泊3日の山形旅行の2日目。前日は銀山温泉に泊まったので、今日の旅行は尾花沢市が拠点。(写真右:尾花沢市の朝=この日は朝からいお天気だった。)
実は、この日、どこに行くかということを決めていなかった。むしろ、銀山温泉でだらだら過ごそうと思っていた。しかし急遽(ま、いろいろイキサツはありましたが)、尾花沢市在住のY氏の案内で、月山、湯殿山、羽黒山のいわゆる出羽三山方面に行くことになった。
尾花沢から大石田を横切り一旦南下、最上川と絡み合うような国道??を走り、寒河江を右方面に行くと月山連峰である。東京or幕張からダイレクトでこの周辺に行くなら前日は山形市、上山市や天童市辺りの温泉に泊まるのが良い。
寒河江から月山の中腹を巻くような山道。道は比較的新しく走りやすい。素晴らしい景色の連続。残念ながら写真は撮らなかったのご披露できない。寒河江からは山形道も利用できるが、下の道でも十分に楽しい。
月山〜湯殿山の中腹を抜けると、今日最初の目的地、朝日村の大日坊である。ここが有名な即身仏の寺ということは、到着するまで知らなかった。案内の看板も無かったし、田んぼの真中の小さな寺なので、Y氏の案内が無ければ見逃して通りすぎてしまうような感じ。ところが、小さい寺と思ったら山門をくぐり石段を登ると立派な本堂があった。
なんとなく、霊気を感じる。(といっても、私は霊能力者ではない。)
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”大日坊本堂”
山門から本堂までは、比較的短い階段なので、すぐ到着。もう少し心の準備が欲しい。
階段を昇りながらも、なんかどきどきしてしまう。まだ見ぬ即身仏さまのお姿を想像してみたりして。 |
本堂で、お坊さんの有り難いお話を聞く。
もちろん、即身仏の話もある。ユーモアのあるお坊さんの話はたいへん勉強になる。仏教のことから、現在の社会風刺まで、楽しく聞ける。もちろん、流暢な山形弁で。 さて、いよいよ即身仏を拝むことになる。 本堂から90度曲がった廊下を歩き、別棟に入る。 ここが即身仏を奉ってある奥の建物。 線香の香りが一段と強い。
建物内は撮影禁止。
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これが即身仏。(左) (パンフレットより)
カラー写真でないのが残念だけど、 実物は錦の衣を纏い、結構生々しい。 一瞬、ぞくぞくっとする。 血管なんかが浮き出ていて、リアル。 有り難いんだろうけど、正直気持ちのいいもんではない。 ミイラというと、 真っ黒い磨きニシンみたいなのを想像するのだが、 この仏様は、色白なのだ。 なぜ、そうなったかは、以下の説明を読んでほしい。 |
「 即身仏の解説 」
即身仏と一口に言っても、凄いことなんだ。 以下にパンフレットから抜粋した文章を載せたのでご覧下さい。 仏門に一生を捧げた即身仏の魂が今に生きる (大日坊パンフより) 代受苦菩薩真如海上人は、朝日村越中山に生まれ、幼少の頃より仏教にひかれ、青年時代より帰依出家し、・・・(中略)・・・生き仏として多くの人々に尊ばれた。二十台より即身仏を志し、木食の行に入り、天明3年96才で生身のまま土中に入定するまで74年の長い間この難業苦業を積み重ね即身仏になられた。今日まで200年以上もなるが、生きながら入定そのままの尊い姿である。即身仏とは、湯殿山行者の行う難業苦業の最たる木食の行を積み重ね、生きながらにして土中に入定し3ヶ月後に弟子や信者の手により掘り出し、これを洗い清め乾かして即身仏となる。
お坊さんの話によると、なぜ木食の行をするか、と言えば、余分な脂肪などを極限まで落として体を腐りにくくする為とか。通常のミイラ(世界各国の)は、死後内臓や腐り易いものを取り除いたり、加工(という言葉が適切か?)しているのだが、即身仏の場合は自らがミイラになる為に準備をするわけで、こりゃ物凄いことだ。更にいよいよ土中入る数日前には一切食事をせず、漆(漆っちゅうのはあの器などに塗るやつね。)の液を飲む。漆は防腐剤になるそうだ。詳しくは、実際に行ってお坊さんの有り難いお話を聞くことをお薦めする。 |
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”大日坊の境内” こういうのも重要な文化財なんだろうけど、 即身仏を拝んだ後では、うつろに見える。 (というか、あまりにも即身仏のインパクトが強いので。) |
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大日坊を出てから今度は羽黒山の方面へ車を進める。
月山の周辺ルートはまことに景色がよろしい。
”米の粉の滝”
月山の伏流水が滝になって落ちる。実際には凄いスケールなんだけど、反対側のドライブインからなので、小さく見える。右上の空には山形道(高速道路)の高架。サイズを比較して頂ければ、この滝のスケール感を実感して頂けると思う。
で、その滝の展望台にあるドライブインで昼食。かなり大型の食堂である。メニューもたくさん。土産屋には鶴岡の名産「だだちゃ豆」を売っていた。 |
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”湯殿山温泉前から月山方面を見る。” (湯殿山スカイライン)
ここから湯殿山神社へのルートがある。
湯殿山神社にはお湯を奉ってある。
今回は、神社までは行かなかった。 |
”有料道路のチケット”
湯殿山神社に行かなければ、必要ない。
(大日坊と羽黒山は一般道で行ける) |
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大日坊から一旦庄内平野の端のほうまで下がってから、だだっ広い田んぼの中の道を北上する。次に目指すは羽黒山。Y氏の運転するクルマを追っかける。鳥海山が綺麗に見える。鳥海山は別名庄内富士。てっぺんから裾野までこんなに綺麗に見えることは滅多に無いと後でY氏が言っていたのだが、一度も止まってくれなかったので写真を撮ることが出来ず。しっかりと脳裏に叩きこんだ。それにしても残念。また改めてこの辺りをドライブしてみたい。
大日坊から羽黒山神社まではそこそこ距離があった。苦にならない範囲ではある。羽黒山は、大きな鳥居と杉木立がまず目に飛び込んできた。残念ながらY氏は鳥居のところで停まってくれなかったので、鳥居の写真も無い。
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羽黒山 ”五重の塔”
鬱蒼とした杉木立の中にひっそりと建つ。
(パンフレットからの写真)
山寺(立石寺)でも思ったが、どうしてこんな山深いところに立派なものを建てられるのか不思議であるが、ま、当時の人々の信仰の深さと、寺社仏閣が強大な権力を持っていた、あるいは権力者から厚く庇護されていたのだということだろう。 |
羽黒山神社。鬱蒼とした杉の大木に囲まれた神社。出羽三山のひとつ羽黒山の中腹にある。因みに出羽三山とは月山、湯殿山、羽黒山のこと。月山は森敦の小説「月山」で名前だけが一人歩きするほど有名。頂上付近は万年雪があることでも知られている。それに比較して湯殿山と羽黒山の知名度はやや落ちる。とはいっても、深山の雰囲気に加え、歴史的にも、規模からみても是非一度は訪ねてみたい名所である。山伏でも知られている。
”参道”
我々が停めた駐車場からの参道は上。鬱蒼としている。クルマではなく歩いて登るには、右の参道。樹齢数千年と思われる杉の大木の並木が圧巻。 |
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”宝物殿”
写真が小さいからスケール感無いかもしれないけれど、物凄くでかい建物です。 |
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”羽黒山神社本殿” 周囲の深い緑と鮮やかな朱赤のコントラストが美しい。この建物もキョーレツにでかい。 |
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これだけ立派な藁葺き屋根は珍しい(写真左)。今まで見た中では最大じゃないだろうか。
上は、鐘楼。この建物も鐘のサイズも猛烈にでかい。 |
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神社なのに鐘があるのは面白い。
逆に、前出の大日坊には寺なのに、鈴(お参りするときにがらんがらん鳴らすやつ)がある。
出羽三山の旅行を終えて、一旦尾花沢に戻る。今夜もまた温泉に泊まろうと思っていたところ、Y氏の強引な(笑)好意で彼に家に泊まることになった。その代わり、大石田の温泉に連れていってもらった。入浴料が300円という安さにびっくり。夜はビールと銘酒「六歌仙」でへろへろ。東北の人は酒が強い。
”月山遠望(尾花沢市から)”
右側のなだらかな山が月山である。
左側は、葉山。尾花沢、大石田辺りか大きく見える山だ。
”花笠踊りの練習”
尾花沢市の少年少女有志による踊りのチーム。
近く、大会(この辺りではポピュラーな行事らしい。)があるようで、毎晩練習しているという。Y氏のお子さんも参加している。
小学校の先生らが指導にあたる。
かなりうまい。奇しくも二夜連続で花笠踊りを見てしまった。 |
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さて、今日はいよいよ幕張に帰る。
午前中は尾花沢市内をぶらぶらする。
まずは徳良湖に寄ってみる。
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”徳良湖”
湖といっても、本来は農業用の溜め池。
この辺りが花笠踊りの発祥の地とされている。
近くにはスキーも出来る花笠高原もある。
ご覧のように、周囲の公園には花が綺麗だし、また、遊具などもちゃんと管理されているようで、好感が持てる。尾花沢市民の憩いの場。 |
”二ツ森”
尾花沢市のどこからでも見ることが出来る特徴のある山。この写真では分からないが、中央にこどもの岩もある。まるで3人家族のような山である。 |
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”購入後初めての長距離に頑張ったMPV”
長距離運転にもゆとりの室内空間と、エンジンの静粛性で、オーナーとしては大満足であった。よくやった!MPV!
ちと、褒めすぎか。 |
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「ちょっぴり反省&教訓」 今回の旅行の写真は全部デジカメで撮ったものだが、メモリカード(スマートメディア)3枚いずれも16MBだったので、すぐにいっぱいになってしまった。で、肝心な写真が撮れなかった。さっそく、翌々日には128MBのものを購入しに幕張近辺の電気量販店に走るのだが、とにかく数日間の旅行にはでかい容量のメモリが必要であることを悟った。それから、35mmフィルムのカメラも是非持ってゆきたいところだ。 |
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