8月の、それも、かなり暑い日、所要で蘇我方面に行った。その暑さの中、無茶だとは思ったが大汗をかき、自転車で行った。その帰り道、蘇我駅の線路をまたぐ歩道からふと見ると西のほうに溶鉱炉がそびえている。旧川崎製鉄の溶鉱炉だ。暑さで殆ど人が歩いていない通りの向こうに陽炎のように見える。
なにか懐かしい思いがこみ上げてきた。昭和の時代を支えた溶鉱炉。私は何かに惹かれるようにその溶鉱炉のほうへ自転車を走らせた。古びた商店街はあっと言う間に終わり、国道に出る。そこを渡ったところに最近出来たケーズデンキなどの複合商業施設。その先の左側にはジェフユナイテッドの本拠地、通称フクアリがある。その辺りまで来ると溶鉱炉はぐぐっと高さを増し、圧倒的な存在感で迫ってくる。
フクアリの駐車場まで行ける。その先は立ち入り禁止の大きな広場になっている。ところどころに数日前に降った雨の大きな水溜りが出来ている。その向こうに障害物が無い裸の状態で溶鉱炉が見えていた。灼熱の太陽の下、森閑としていた。どうやら、操業はしていないものと思われる。あるいは解体待ちなのかもしれない。
(後ほど、というか、この文章を書いているときに、検索でこの溶鉱炉について調べたら、やはり役目を終え、解体中だということだ。)
http://portal.nifty.com/
↑ ↑
ここにも大きな写真付きで記事があった。
(ディリーポータルZというニフティのサイトは素晴らしい!)
なんとも哀愁が漂っているではないか。死に場所を探している像のようにも見えた。
自慢することではないが、かつて、客先やデザイン会社で思い切り待たされているときに小型のPC等で小説を書いていた。ひとつはかなりの長編もので、真夏の誰もいない工場の脇の広場で少年が一人で遊んでいるという心象風景を描いたものだ。今見ている景色がまさに私が書いた風景に合致していた。
しばらく写真を撮ったり、ぽかんとしていたりしていたが、家に残してきた仕事を片付ける為に後ろ髪を引かれつつ自転車に乗って元来た道を幕張に向けて走った。日に焼けるという簡単なことを忘れていたので、その対策を怠り、両腕がまっかっかになってしまった。
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左: |
溶鉱炉の隣の建物。ここも廃屋なのか。
こういう工場って、哀愁を感じるよね。すっかり工ちゃん(工場マニア)ではないか! |
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右: |
この迫力ある風貌。望遠で。
(何故かカメラはいつものではなくニコンのD200なのだ!) |
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| 左: | 給水塔マニアと工場マニアの両方のマインドを満たしてくれる風景。
眺めているだけで心がなごみますなあ。 | | | 右: | 国道の歩道橋の上からの溶鉱炉。後で分かったが、第五溶鉱炉というらしい。
道の左側は商業施設。 | |
[こんな記事も・・・]
http://baytown.dokkoisho.com/shiba/zaki10/shibazaki_481.htm
しばざ記481「工(こう)ちゃん入門」 2008/6/25
特に夜の工場は素晴らしいのだ。
養老川の河口両側の工場の美しさといったら・・・。
おまけ画像 蘇我駅の階段の下に、こんなバス停を見つけた。もうとっくに廃屋になっている千葉健康ランド行きのバスがここから発車していたのだ。 千葉健康ランドは以前も書いたことがあるが、私が一時期木更津から新習志野に通っていた時期に時々利用させてもらった。サウナに入って、ラーメンを食って、ビールを飲んで、そして寝る。最高だったのになあ。 ところで、バス停の後ろの金網にかかっているビニル袋はなんだろうね。金網の向こう側にあるのもなんとなく不思議なんだけど・・・。 そうそう、蘇我と言えば、らら劇場があったよね。おっと、知ってる人は少ないか???
[追記]
このページをつくった後で、更に色々とネットで検索したら、ぞくぞくとこの蘇我の溶鉱炉の話題が出てきた。殆どがブログで、出会った感動を記してある。そして、やはりデイリー・ポータルの記事を見て行った人が多い。記事が発表されたのは今年の春くらいなのだろうか。4月から7月の記事が多かった。つまり、私のように蘇我に偶然に降り立って、近くまで行った人間は少数派なのかもしれない。いや、サッカーファンにも工ちゃんはいるはずで、フクアリにサッカーを見に来たついでに写真を撮ってゆく人もいるだろう。どちらにしても工場マニアは相当数いることが分かった。皆さん、写真もちゃんと撮っている。いいカメラをお持ちなのだろう。
# 負けちゃいられない!!(笑)
# こんなおいしい話題なのに、全然知らなかったのは不覚であった。
2009/8/12
巨大きのこ発見!
ママチャリで走ってたら凄くでかいきのこを発見した。
傘の大きさは大人の顔くらいある。
地面からにゅっと生えているのきのこでここまででかいのを見たのは初めてだ。
めちゃ、きもい!(←俺の年代ではあまり使わない言葉)
場所は磯辺の公園(花見川沿い)。
なにが驚いたかっつうと、こんなにでかいきのこが、身近な場所にあったこと。しかも、公園入り口近辺だから人目にもつきやすいのである。
これ、当然食べられないと思うけれど、なんという種類のきのこなんだか教えてちょーだい。
Nackyさんが右のようなことを
教えてくれた。 |
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傘の裏側が放射状でなく編み目のスポンジ状なので
「ヤマドリダケ」か「イグチダケ」の一種かと思われます。
どっちもでっかくなる種類がいますね。
奴らには食べると美味しいのと毒持ちがいるので、
専門知識が無い場合は食っちゃアカンですたい。 |
私が小学生の頃、東北の山中でやはり大人の顔くらいあるサルノコシカケを見たことがある。半円だからやはり今回の大きさにはかなわない。
そのとき、巨大なやまかかし(蛇)も見たな。
2009/8/12
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2009/8/12
しばざ記 712 |
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