ベイタウン旅行倶楽部
笠森観音〜太東崎(房総の旅)
房総の旅 INDEX


2007年は昨年の大晦日から猪苗代のホテルに泊まり新年を迎え、2泊して帰宅、1日置いて再び小旅行だが正月休み最後の休日を房総のドライブで締めくくった。笠森観音は、過去に数回訪れている。立派な建築物で感動する。ミニ清水寺(京都)という感じ。太東崎は、初日の出の名所である。

とにかく慌しい。貧乏暇なしで、年末までドタバタしているから本当は正月くらいじっとしていればいいのに、例年我が家では、私と妻の実家をベースにあちこちに行くので、忙しさに拍車をかけている。今年は更に会津への旅が加わったせいで余計に忙しくなった。しかも忘年会が続き、大晦日の出発となると、大掃除も年賀状の制作も前倒ししなければならないので、結局12月の後半はしっちゃかめっちゃかだった。まあ、海外に転勤されるK村さんの慌しさには足元にも及ばないだろう。まだまだ未熟である。

1月4日、天気は上々。やや風は冷たい。仕事初めの方も多いからか、国道16号線の南下はスムーズだった。これなら高速(館山道)を使わなくても楽々。9時半頃にベイタウンを出発し、一旦実家の木更津へ立ち寄る。約1時間で木更津、茶を飲んで、11時半頃に笠森観音に向けて国道409号線をほぼ真東にクルマを走らせる。木更津から久留里線に沿って、祇園、清川、横田と田園地帯の小さい駅を眺めつつ走るこのルートは私のお気に入り。

牛久の古い家並みを過ぎると山間部に入る。このルートは木更津〜茂原を移動するのに地元の人々には馴染みがある。だが、例えば、今回のように幕張から笠森観音に行くのに木更津経由でというのは大幅なロスだろうし、笠森観音や茂原、太東崎に行く人が行き帰りに409号を使うというのはあまり考えられないので、幕張や、まして都内の方々には知られていないルートなのである。

約30分で笠森観音に到着する。



笠森観音は、立派なお寺なのに、割合入り口は分かり難い。木更津方面からだと、その手前の笠森霊園が目立つので、そこにクルマを停める人がいて、まあ、それでも正解といえば正解なのだが、そこからだと少し歩く。以前来たとき、といっても十数年前には1月1日だったせいもあり、大変な混雑で、笠森霊園から歩くことを余儀なくされた記憶がある。あのときは、確か、409号も笠森観音の近辺で渋滞していたような気がする。

今回は比較的空いていた。とは言っても、参道の入り口脇の有料駐車場にクルマを入れた。もう少し昇ったところには町営の無料駐車場がある。その駐車場の脇から細い山道(コンクリート製の階段)があり、そこから割合急な登りになる。上の写真の左のように切通しの道である。真ん中に手すりがあり、上り下りが別れている。右の写真は、その山道の入り口にある小さな洞窟。中にはミニチュアのお地蔵さんが無数に並んでいる。



ひと汗かくと、車道(一般車は通行不可)と合流。そこに小さな祠がある(写真左)。更に少し行ったところにひとつの根から3本の幹に分かれている立派な杉がある(写真右)。そのほかにもかなり太い幹の杉の木がいたるところにある。



左の写真はご覧のように大木の根元にちょうど人がくぐれるくらいの穴が開いていて、そこをくぐることで子宝に恵まれるというもの。たまたま写真を撮るときには人がいなかったが、その前後は常に2〜3組の待ちができていた。右の写真中央が笠森観音の山門。その左のほうに薄っすらと本堂が見える。



本堂は、ご覧のようにかなりユニークな建物である。崖の上に櫓を組み、その上に立っている。この建築様式はわが国唯一で、重要文化財だそうだ。京都の清水寺とは違う様式なのだ。詳しくは、http://rizardon.com/~nakai/kasamori.htm などのホームページを参考されたし。残念ながら私は細かい知識が無くて。すみません。





千葉県の寺社仏閣の代表格は成田山だけど、こちらも負けず劣らず素晴らしい建物である。



拝観料100円を払って急な木造の階段を昇る。かなりスリリングである。



ここがてっぺん。ぐるりと廻れる。絶景かな、絶景かな。本堂の中には黄金色に輝くご本尊が祀ってあるが、残念ながら撮影禁止。ちゃんと見張りの人がいた。



境内を見下ろす。それほど参拝客が多くないが、しかし、3が日は凄かったんだろうな。以前行ったときには本堂に昇る列ができていて、参拝を断念した記憶がある。



左は、宝篋印陀羅尼塔(?)。2番目の文字が難しい。右は子育て地蔵尊。いわゆる六角堂である。その奥の階段を昇ると鐘楼がある。



特に幾らという決まりは無いが、お賽銭をあげて鐘をつく。それほど大きな鐘ではないものの、いい音がした。

鐘をついたところで、駐車場に降り、再び国道409号線を茂原方向に進む。1時を少し回っていたので、昼食にする。特に何処で食べるか決めていなかったが、たまたま走っていた国道128号線の「味の民芸」でうどんを食べることにした。チェーン店であるが、なかなかうまい。何年かぶりで入った。前回は栃木県か茨城県か、どちらかの店だったと思う。

昼食を食べた後、国道128号線を勝浦方面へ。今度は海に行く。山の後は海へ行ける、そんなことが可能なのは房総半島ならでは。少し走った後で、一宮を過ぎ、太東海水浴場に立ち寄る。



さすがに海は気持ちがいい。でも、ちょっと風が強くて、寒かった。荒波の中、サーファーが頑張っている。この海水浴場は結構サーファーには人気があるようだ。九十九里の砂浜の終点がここである。



左の写真は、無料駐車場。フェニックスが南国ムードを醸し出している。奥に見える赤い屋根の建物はトイレ。右側は小さな漁港。釣り人たちがたくさんいた。右の写真は、駐車場無いにあったオブジェ。水平線には一ノ宮辺りのリゾートマンションが。



左の写真の高いところへは遊歩道があって登れるようになっている。今回はちょっと寒かったのでやめた。また今度来るときには昇ってみたい。港に停泊している漁船には正月のお飾りの大漁旗が強い北風に舞っている。

再びクルマに乗り込む。体が冷えてしまった。しかし、日差しがあるので、クルマの中はぽっかぽか。ほっとしながら再び128号を南下。約1kmくらい行ったところだろうか、あまり目立たない標識で、太東崎の標識が。本日のもうひとつの目的地である。太東崎は太平洋から昇る朝日を観るのに絶好のロケ地なので、割りと有名なのだが、うっかりしていると見逃してしまうほど目立たない入り口である。しかも、道は細い。たぶんクルマのすれ違いは出来ないと思う。所々に小さな交差点があって、そこで対向車を避けることができる。ため池があり、その先から緩い登りになる。

運良く登るときには対向車は来なかった。約100mくらい進むと、急に視界が広がり、同時に太東崎の小さな白い灯台も目に飛び込んでくる。10台くらい停められる未舗装の駐車場がある。前向きで停めると、目の前に太平洋が広がっている。噂には聞いていたが、絶景である。



自慢じゃないが、私は若い頃登山をやっていて、ピークハンターといって、全国の峰、つまり山頂を制覇するのを楽しみにしていた。その前には岬マニアだった。岬や灯台が大好きだった。千葉県には野島崎や、犬吠埼などの高名な場所がある。洲崎もいい。でも、この太東崎もいい。なんといっても、少し小さいが、私の理想とする形状の灯台がある。

ところがだ。不思議なことに、この太東崎は生まれて初めて来た。目の前の国道128号線なんて、何十回走ったか分からないくらいだし、その先の大原漁港にも何度も足を運んでいるのに、どういうわけか灯台好きのこの私が太東崎に来ていなかったのだ。

だから感慨もひとしお。思わず頭の中で「喜びも悲しみも幾年月」のテーマ曲を歌っていた。ちと、古いか。(笑)



太東崎から南側の和泉浦を見下ろす。夷隅川の河口が見える。その向こうには大原。
太東崎は以前は長者町だった。今は、いすみ市になった。平仮名の地名は、いわき市が最初か。今じゃ当たり前になってきた。

さて、暫く景観を楽しみ、日が傾いてきたので、そろそろ帰ることとする。一旦大原まで行き、市役所方向に右折し、いすみ鉄道沿いに大多喜方面に向かう。いすみ鉄道の菜の花列車が懐かしい。大多喜の市内に入る少し前に1輌だけの列車(とは言わないのかな?)とすれ違った。田園風景の中で夕日を浴びのんびりと走っていた。大多喜の街並みを見て、山間部に入る。行きとちょっとルートを変えて、大多喜から養老渓谷へ、そして、久留里から小櫃へと抜けた。

山間部を走っているうちにすっかり暗くなる。といっても、まだ5時半ころだろうか。小櫃から木更津へ。到着時刻は6時半ころ。渋滞も無く快適なドライブだった。

2007/1/4 Zaki


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