大阪新世界の界隈。通天閣の近くの恵美須西というところに知人の経営する小さな会社がある。彼は大阪生まれで大阪育ち、子どもの頃は、有名なあの西成区のあいりん地区のすぐそばの萩ノ茶屋の駅の近くに住んでいたという。私は二十代後半の頃、その彼に何度か、最もディープなミナミの飛田新地に連れていってもらったことがある。昔の遊郭が面影が残るレトロな街並みだが、一方周辺は大阪で最も危険地帯とも言われている。
でも、彼の友人らとあの近辺を飲み歩いた時には危険な感じなんて微塵もなかった。ひとりで歩くこともあった。幸いにしてカツアゲに遭ったことは一度も無い。私はあの街には逆に郷愁を感じることはあっても危険を感じたことは一度も無い。ヘンな予備知識が無かったからだろうか。だから、今回も普通に行って、普通に飲んできた。ミナミには少なくとも十八年ぶりだ。ずっと会っていなかった知人も、もちろん私も老けてしまった。お互いにでっぷりした腹をさすりながら苦笑した。ただ、今回の大阪行きは別の用で行ったので、時間がそれほど無く、通天閣の近辺しか歩いていない。
右:夕刻の新世界。「づぼらや」の大きなふぐが愛嬌。手前の右に黄金のビリケンさんがいる。
2007/6/10 Zaki
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