「俺たち2」管理人による戯言
日記でもない、コラムでもない、単なる戯言。そんな感じ。
筆者は幕張ベイタウン在住のおやじ。結構、歳いってます。はい。
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ちょっと無茶なサイクリング
行くからには計画をちゃんと立てることと、
それから、やはり日ごろの鍛錬が必要なのである。


午後、蘇我の知人宅に行った。新築したのと、オーディオルームに金をかけたので、自慢したいという連絡を貰っていのた。天気も良かったので気軽に自転車(ママチャリ)でひょいひょい出かけた。彼の好みのピンクレディーを散々聴いて、外に出る。せっかく蘇我まで来たのだからと、青葉の森公園に紅葉を探しに行き、更に、そういえば「Yoshiさんが太平洋側まで自転車で行った」という話しを思い出し、じゃあ、私も(九十九里へ)行ってみようかと、やはり気軽に思って、走り出す。ところが、後輪の空気があまり入ってないことに気づく。路面のギャップが尻に伝わる。ん〜、どこかで空気を入れたい。ところが、松ヶ丘の辺りから鎌取の近辺までまったく自転車屋とかホームセンターが無い。焦る。このまま走っているとパンクするのではないかという恐怖感が湧いてくる。暫く走ると100円ショップのダイソーがあった。よっしゃ、ここで安物の空気入れを買って空気を入れよう。

最近のダイソーって、100円均一じゃなくて、ちょっとマシな1000円程度のものも売っているのに、空気入れは100円の見るからチープなものしか売ってなかった。こんなの大丈夫かな、と思いつつ、仕方無いので、それを買って、表の駐車場で空気を入れる。段々圧(アツ)が高くなってゆくに従って、その空気入れに物凄い負荷がかかっているのが分かった。そのうち、プシューっと音を立てて、ホースの根元が取れた。案の定、壊れたのだ。ま、でも、そこそこ空気も入ったのでいいか。使い捨ての空気入れだと思えば、納得だ。で、また気持ちよく走りだした。コンビニで、カレーパンとコーヒーを買って、ベンチに座って休憩。そこから少し走ったところにD2(デーツー)があった。なんだ、もう少し走っていたらちゃんとしたホームセンターがあったのだ。ちょっとショック。ところで、最近路肩の狭い場所を走るのに慣れていないので、物凄く走りにくい。クルマに気を使いながら走ると精神的に段々きつくなってくる。もうひとつプレッシャーになったのは、誉田の駅を過ぎた辺りで日が沈んでしまったのだ。いや、正確に言えば、5時前なのでどこかに太陽はあった筈だけれど、丘陵が西側にある地形だったのか太陽がまったく見えないのだ。あらら、今から太平洋は無理じゃないか。しかも、そろそろ尻が痛くなってきた。

登山でいうところの勇気ある撤退。今回もそうすべきだ。そう考えたが、せめて土気まで行ってみようと思った。何故そう思ったのか分からない。足も尻も痛くなっているけれど、まだ限界ではないと判断したのだ。土気まで行って、そして小休止してから帰路に就こう、ここで諦めてはなんとなくかっこ悪い。とは言うものの、走り出したら、ペダルを踏む足に力が入らない。ちょっとした登りでは一番低いギアに入れた。そうなのだ、ママチャリだけど、6段の変速機がついているのが有り難い。のろのろと坂道を登って、そして、どうにかこうにか土気の駅までやってきた。周辺はほの暗くなっていた。午後5時半くらいだろうか。自販機でホットコーヒーを買って飲む。自転車から降りて暫く呆然としていたが、その小休止で急に元気が湧いてきた。そうだ、昭和の森の入り口を過ぎると一気に下りになる。そこまで行けば、大網白里だって近いじゃないか。土気はまだ千葉市だ。しかし、大網白里といえば、もう太平洋側だ。どうせだったら、そこまで行ったという証を持って、そして帰りたい。釣りで、ボウズで帰るのと、一匹でもなんかを釣って帰るくらいの差があるのだ。

上の写真は鎌取と誉田との間辺りの踏み切り。ここではまだご覧の通り夕陽だった。

さて、昭和の森の先の峠からはペダルを踏まなくても、勝手に自転車が走る。猛スピードで下る。気持ちがいい。苦労してここまで来た甲斐があった。途中でバイクまで抜いてしまった。そのまま大網白里の駅まで行けそうだ。いや、冗談ではなく、そんな感じだった。かつて(もう何十年も前、)自転車で17号線から新潟県へ抜ける三国峠を下るときもそんな気分だった。でも、気持ちよく走っているときに、「待てよ、この気持ち良さが帰るときにまた苦痛に変わるのだ。」ということが脳裏に過ぎった。それ以上に疾走感がたまらなく冷静さを欠いていた。坂道は2キロメートルくらい続いたのではないか。帰りを考えなければ、今回のサイクリングで最高の場所だった。

さて、大網白里の駅に着いた。自転車から降りて、柔軟体操をする。取り立てて喉が渇いたり、腹が減ったりということが無くて、辺りを眺めたりしていた。大網白里の駅はそこを起点とした線路が、三叉路のようになっている。ひとつは千葉・東京方面、もうひとつは東金・銚子方面、もうひとつは外房方面と線路が延びているのだ。そこへ行ったのは初めてじゃないのだが、こんなにじっくりと景色を眺めたのは初めてだった。ロータリーには「季美の森」へ行くバスが出発を待っている。そうだ、以前来た時はここから「季美の森」へバスで行ったのだ。「季美の森」はゴルフ場を中心にぐるっと住宅が囲むような街で、バルブの頃に出来た高級住宅街である。かつて(今も?)、大橋巨泉氏も住んでいた。ま、それはいいとして、さて、これからどうしよう。どうしようったって帰るしかない。景色を眺めているうちに辺りはすっかり暗くなってしまった。

仕方無い。尻が痛いのを我慢して、えいやっと自転車に跨り、こぎ出した。まともに座れないので、暫く立ちこぎだ。これがまた執拗に体力を消耗する。しかも、腿まで痛くなってきた。それは筋肉痛だ。この歳でこんな無茶なことしているって私くらいだろうな。冒険家の三浦雄一郎さんだってきっとやらないと思う。ま、そんなことを言っている場合ではない。帰らなくてはならないのだ。スポーツ車と違って、コンパクトに収めてそして電車で帰るという芸当は出来ないのだ。ママチャリでこんなところに来てしまったことを後悔しながらペダルをこぐ。家までは25キロメートルくらいか。時刻は6時半頃である。

平たんな道がやがて勾配に差し掛かった。勝算はこの坂道にある。ここをいかにうまく通り過ぎるかである。残っている体力の全てをこの坂道に賭けよう。そう覚悟を決めた。出来る限りのスピードで突っ込み、段々ペダルが重くなったところで、そして1段づつギアを落としていった。坂道のまだ5分の1までも到達しない辺りで一番低いギアに落ちた。ペダルは極端に軽くなるが、その代わり一所懸命ペダルをこいでも殆ど進まない。空回りしているようだ。ひょっとしたら歩くほうが早いかもしれないくらいのスピードだ。更に、クルマの進路を邪魔しないように神経を尖らせているので、余計に疲れた。額から汗が流れ落ち、それが目に入った。泣きたくなってきた。いい歳をこいたおやじがここで泣いていても、誰も助けてくれないだろう。ともかく、その坂をクリアすることに全力を尽くした。

奇跡は起きるもので、なんと一回も自転車を降りることなく昭和の森の入り口まで戻ってきた。その辺りは一旦下り坂なので、冷たい空気に汗が一瞬にして引込み気持ちよかった。そこから土気の駅の辺りまでまた登りがやってきた。大網白里からの登りよりはきつくない筈だが、さきほど文字通り全力を出し切ってしまった後で、とんでもなくきつかった。また泣きたくなってきた。腿の痛みが痺れに変わってきた。下半身が別の人間のように言うことを聞かない。一番低いギアなのに、鉛のような重さに感じる。それほどの勾配でもないわずか1キロメートルをふらふらになりながら走りぬいた。土気に出てから少し平たんな道になり、またアップダウンを繰り返しているうちに、頭がぼうっとなっていた。路肩が狭いので、そちらへの神経を使い過ぎているのだ。しかも、自転車の照明だと路面のギャップが見えにくいので、ある程度予測しなくてはならないのだ。

体の痛みはハンドルを握る手であったり、痛い尻を少しでもカバーすべく無理な体勢を取り、そのしわ寄せを一気に引き受けている腕にも回ってきていた。スポーツ車だと、うまく体重の分散化が出来るのだ。またもやママチャリであることを痛感する。誉田を過ぎた。段々ペースもアップしてきた。体のあちこちが痺れてきたのが却って良かったのかもしれない。ひたすら家を目指す。泣きたい気持ちも薄れていった。他に自転車で走っている人は誰もいない。よっしゃ気分転換に何か歌おう。気がつくと「昔の名前で出ています」という歌だった。無意識に演歌が出てくるのはいったいどういうことなんだろう。めちゃ、かっちょ悪いではないか。かと言って、イーグルスを歌うなんて気分じゃなかった。

おっと、知らず知らずのうちに文章が長くなり過ぎた。疲れてきたので、また今度。いや、もうこれでお仕舞にしよう。とにかく這う這うの体(ほうほうのてい)で帰宅した。足腰が痛くて、自転車から降りると半歩ずつしか歩けなかった。ただ、これだけは言えるが、ある意味面白かった。今度はちゃんとした計画を立てて九十九里行きのリベンジをしよう。

2009.11.7

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紅葉が綺麗だ

左: トヨタ千葉勝又グループの本社前。桜の木もそろそろ裸になりつつある。また来年の四月に綺麗な花を咲かせてくれるだろう。。
右: 稲毛海岸の浅間神社に(たぶん)七五三のお参り。その帰り道。いいね、着物姿。

左: 千葉市役所前のケヤキの木。土曜日の午後、人通りは少ない。
右: 青葉の森公園。

2009.11.7

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2009/11/7
しばざ記 752
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