昨夜、テレビ放映されていた映画「象の背中」を観た。余命半年と医師から告げられた男の話だ。この手のストーリーはよくあるので、言っちゃ悪いが観なくても先が読める。いや、余命を宣告された時点で先が読めるストーリーにならざるを得ない。一瞬にして将来の可能性を全て否定されるのだ。主人公は治らないガンだったら苦しい治療や延命治療は受けないと決意する。
現実に私の父も末期ガンだったから、そんなストーリーだと、つい昨日のことのように思い出してしまうので、あまり観たくないタイプの映画ではある。ただ観た以上はひとこと言わせてもらうと、リアリティがもっとあってもよかった。映画だから仕方ないとはいえ、どうしても、死を美化している傾向にある。美しい妻がいて、優しい子ともたちがいて、素晴らしい友人がいて、愛人までいる。お洒落な海辺のホスピスで波音を聴きながら死までの数ヶ月を過ごす。
しかし、死は、本来はもっと壮絶にて凄惨だ。ガンの場合、個人差もあるけれど、激しい痛みに耐えかねて、廃人になるのを覚悟の上、モルヒネをどんどん打つ。身体は枯れ枝のようになる。正常な意識はどんどん遠のいてゆく。下の世話も全てやってもらわなければならない。オチンチンに小水が流れるような管をセットされる。そして全身から腐敗臭を放つ。一昨日亡くなった清志郎さん(以下敬称略)も昨年11月に間寛平への曲を書き、レコーディングした映像を最後にメディアから消えた。その後の半年はやはり壮絶な闘病生活だったに違いない。
「象の背中」を否定しているわけではない。ガンにはなりたくないが、ああいうふうに静かに人生の幕を下ろしてみたいものだ。今井美樹は綺麗だったな。布袋が羨ましいな。私の場合、もしも自分がそうなったら妻が今井美樹みたいに見えるのかもしれない。ただ、現実的には優雅なホスピスに入院するなんてことは出来ないと思う。そこまでの財力は無い。ぎりぎりまで自宅で粘って、かなり悪化してから病院に行くというパターンになりそうだ。そうしなければ、治療費が出ない。
幸いなことに私の周囲には同年代で病気で亡くなるケースは無い。しかし、一般的はそろそろそういう年齢に差し掛かっている。いや、ガンなんて誰の身にもある日突然襲ってくるのだ。こんなことを冷静に書いていると、いかにも悟ったような気分になってくるが、実は物凄く怖い。こういう題材の話もしたくない。できれば、子どもがある程度手間がかからなくなってから何の苦痛もなくポックリ逝きたいもんだ。
ところで清志郎のことではメディアならずも周囲でもかなりの衝撃が走っている。それだけ多くの人々に影響を与えた偉大なアーティストなのだ。私も実はずっと彼のことを考え続けている。昨日はYOUTUBEもたくさん観た。何度観ても清志郎はかっこいい。ああいうロックのできるアーティストは今後絶対に出てこないような気がする。もうナマで観れない聴けないのかと思うと非常に残念でならない。
聞いた話では泉谷しげるが、清志郎にコメントした後、引きこもってしまったという。かなりショックだったのだ。泉谷のほうが年上だったけれど、年下の清志郎のことを尊敬し、清志郎がいなければ自分もいなかったとまで言ったらしい。素晴らしいコメントだ。泉谷のように清志郎から大きな影響を受けているミュージシャンは数多いと思う。きっと、日本のロックシーンの全てに彼からの影響があったのではないだろうか。清志郎そのものが日本ロック界の指針だった。
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2009/5/4
しばざ記 666 |
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