「俺たち2」管理人による戯言
日記でもない、コラムでもない、単なる戯言。そんな感じ。
筆者は幕張ベイタウン在住のおやじ。結構、歳いってます。はい。
しばざ記
「スープ割りください!
「スープ割り」とは大勝軒などでお馴染み。
味の濃いスープを薄めて最後に飲めるようにするやつである。



昨夜は実家に行って、時間も無かったので夕食をラーメンのチェーン「K」で済ませた。実はその前に別の店に行ったのであるが、そちらは長蛇の列。日曜の夕刻だから仕方無い。簡単に諦めた。私は「K」でも十分。いたるところにあり、広い駐車場があり、安くて、早くて、味もそこそこいいので、時々利用している。今回は「ざるラーメン」を注文した。いわゆるやや辛口の「つけ麺」である。ま、そこそこ旨かった。ただ、ちょっと味が濃い。もう少し薄めて食べたいし、最後にはスープも飲みたい。

そこで私は店員を呼び、かなり丁寧な口調で、「すみません、スープ割りってありますか?」と尋ねた。「スープ割り」とは大勝軒などでお馴染み。味の濃いスープを薄めて最後に飲めるようにするやつである。お湯ではなく、それ自体は塩分の無い出汁の効いたスープである。たいていの場合、麺を食べ終わった後に依頼する。そば屋における「そば湯」の役割だ。

若い店員は「は?」と初めて耳にする単語であるかのように私に聞き返した。かなり当惑しているようだ。明らかに「面倒臭いこと言うお客さんだな。」と顔に書いてあった。私はすぐさま「スープ割り」を言い直して、「お湯でもいいので、ちょっと薄めてもらいたいんだけど・・・。」と遠慮がちに彼に頼んでみた。すると彼は一拍置いて、いわゆるマニュアル読みが始まった。

「当店では、『K』の品質を落とすようなことはことはいたしません。たいへん申し訳ありません。」云々。私が口を挟む間隙もなく、すらすらと喋りきった。顔は2〜3メーター先のプロジェクターに映し出されている文章を読んでいるように中空を睨んでいた。もちろん、実際にプロジェクターは無い。

あれ?
ちょっと薄めてくれるだけでもいいのにさあ。スープちょっと飲みたいよね。と、心の中で言いかけたけど、やめた。彼の信念を傷つけてしまいそうだと思ったからだ。所詮こういうところがチェーン店なのか。いや、でも「しょっぱい!」と言ってる人がいたら、「じゃあ、お湯をお持ちしましょうか?」くらいは言えるんじゃないか。その辺り、どうなんだよ「K」は。しょっぱくても品質を落として食べられた日にはかなわんってことか。絶対に薄めて食うな、っちゅうことかい!

文章で書くとこんな感じ。猛烈に激怒しているように思われるかもしれないけれど、さにあらず。気分を害してはいるが、未熟な対応しか出来ない若い店員は「K」だけじゃなく他でもよく見かける。「しょっぱいのを薄めること」が「品質基準を落とす」という説明もよく分からんが、しょーもないチェーン店のマニュアルもここだけじゃない。

「K」にはきっとこれからも時々行くだろう。でも、つけ麺はもう注文しないようにしよう。つけ麺は専門店だな。昨夜は、サイドメニューの玉丼、餃子で腹いっぱい。それで1,000円未満。安過ぎ!最後に同行者の別のスープを貰って、それを飲んだ。



*    *    *


うちは薄めてもらったら困るんだよね!

上の記事をアップしたら、時々「しばざ記」を覗いてくださるAさんからメールを貰った。似たような経験をしたらしい。それは、そこそこ有名なラーメン屋。過去にテレビにも登場していたかもしれない。営業妨害になるので、店名や場所は決して公表はしないけれど、以下にご紹介したい。

Aさんは都内で得意先の方と一緒に有名なラーメン店に入った。Aさんは時々寄る。自分好みの味だったので、贔屓にしていたのだ。ただ、その店はやや味が濃いので、夜遅めに食べると胃がもたれたりしていたらしい。Aさんはそういうこともあって、年輩である得意先のBさんを気遣って、「マスター、こちらの方のスープをちょっと薄めてもらえないですか?」とカウンターの中で麺を茹でていた主人に話しかけた。

実はその店、今は貼ってないけれど、「注文以外に話かけるな!」というような張り紙(実際には「私語厳禁」だったかな?)が貼ってあるくらい、つくる側の主張を露出している店なのである。また、スタッフがいつもピリピリしている。店に入るときに「いらっしゃーい!」とは言ってくれてはいるが怒ったような言い方なのだ。

主人は麺を茹でる手を少しの間止めて、やや斜め上を見ながら、
「薄めるのは出来ないね。残念だけど、薄めの味が好きだったら他の店に行ってくださいよ。」と低い声で言った。

Aさんは驚いた。やや想像はしていたが、信じられないような語句が混じっていた。「他の店に行け」なんて、いくら丁寧口調で言われても甚だ失礼である。考えてみれば、その店で今までこんなことを言う客も見たことが無い。みんな怒られそうな緊張感の中で黙々とラーメンを食べているのだ。

Bさんがすかさず、「あ、いいんだ。マスター、普通につくってもらっていいんですよ。」とフォローした。しかし、主人はむっとした顔をしながら、「当り前だ。」というように口を動かした。それは音声にはなっていなかったが、Aさんは口の動きでそう読んだ。

案の定ラーメンを食べ終わったBさんは店を出た後、並んで歩くAさんに「確かに君の言った通り、美味しいけれどしょっぱかったね。」と言った。そのしょっぱさも旨さなのだろうし、店のこだわりなんだろうけれど、何故か釈然としないAさんだった。



2009/4/13
しばざ記 655
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