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雁坂トンネルを抜けて山梨県へ


一昨年、かなり長期に渡り工事が進められてきた雁坂トンネルが悲願の開通を果たした。それまで埼玉県から山梨県へのルートはたったひとつ、都内から中央高速を使う。(*)しかし、このルートはかなり迂回するので、県境が接しているのにも関わらず、埼玉県と山梨県はとても隣国という感じがしなかった。それもそのはずで、この県境は日本でも有数の高山地帯の奥秩父の2500m級の山々が連なっているのであった。
(*)都内から山梨へのルートはもうひとつ。奥多摩湖から柳沢峠を経て大菩薩嶺のふもとに出る道である。

しかし、何十年も前に、ここにトンネルを作ろうという計画があった。山梨側と埼玉側に同じ名称の国道140号線があった。それは雁坂峠で繋がる予定だった。ところが、難工事や予算の膨張でなかなか工事は進まない。挙げ句の果てに、長い間工事が凍結された。私が同地を訪れた二十数年前、埼玉の一番奥地である荒川村、そして栃本の集落の向こうは大きな山々に阻まれていた。国道140号線は途中から砂利道に変わり、そしていくつかのまっ暗いトンネルを抜けるとそこから先は通行止めだった。

一度、モトクロスタイプのバイクで通行止めの柵の脇からこの道を突き進んだことがある。悪いこととは知りながら、若気の至りであった。目的地は雁坂峠。登山家には馴染みのある有名な峠である。行けるところまで行って、そこから先は歩く予定だった。道はどんどん悪くなり、荒れ放題。大雨が降った時に出来た水の流れた跡がクレバスのようになっていたり、大きな落石があったり、とても走れたもんではなかった。それでも、私はどんどん高度を上げてゆく秘境に気分壮快であった。

結局、その時は峠までは行けなかった。しかも、思わぬアクシデントがあった。その話は別の機会に語ろうと思う。だから、雁坂峠には特別な思い入れがある。誰もいない秘境の中、たった独り悪戦苦闘してバイクを走らせていた記憶が甦るのである。あれがきっかけで、オフロード(本当のオフロードという意味ではないが)を走るのに傾倒していった時期がある。特に奥秩父山域には面白い未舗装路がたくさんあった。だから雁坂トンネルが開通したというニュースを感慨深く聞いたのである。雁坂という字面と音の響きもまことに良い。

雁坂峠あたりは武田勝頼が敗走し、滅亡した歴史的にも由緒ある場所である。あれほど険しい山中に追い込まれるというのは追うほうも追われるほうも物凄いことなのだ。無敵を誇った武田軍の最期が偲ばれる。その大きな山塊の下をどどーんと貫いてトンネルが出きるなんて、さすがの勝頼も想像もつかなかっただろう。

さて、私は埼玉〜山梨の道路が結ばれてから約半年くらい経ってからドライブに出掛けた。12月の中旬だった。やはり道が新しいというのは快適である。観光シーズンからも外れていたせいか、交通量は少なかった。もっとも、三峰山などに寄り、夕刻になっていたのもあった。途中大きくループを描き、大きな橋を渡るとことなどがあり、景観も最高である。きっと紅葉の時などは観光客がこぞって訪れたに違いない。山梨側の比較的穏やかな表情とは異なり、埼玉側は高度差もあり、スリルに満ちている。奥秩父の深山の雰囲気が満喫できる。

このドライブの目的のひとつには富士山を奥秩父の高峰から眺めたい、というのもあった。きっと、雁坂道のどこかで富士を見る絶好のポイントがある筈である。
(2003/5/29)


****(以下、このドライブをした1年半前のリポートである。)****




山梨県乙女高原からの富士(左)、塩山市からの富士(右)


2001年12月16日(日)

朝8時に出発の予定で家族でドライブを計画していた。しかしながら、あいかわらず時間どおりにゆかないもんだ。出発は8時半。行き先は富士山が近くに見えるということと、温泉があるという2つの要素を満たすところ。富士山を至近で見られるところといえば、山梨県か静岡県。あるいは、神奈川県の箱根あたりだろうか。しかし、中央や東名じゃ帰りも混みそうだし、埼玉経由の山梨という路線を選んだ。

今年、何十年ぶりの工事である雁坂トンネルが開通した。埼玉〜山梨ルートは初めて走るのと、二十年前、バイクで行き止まりの雁坂峠下まで140号線を登った思いでのルートなので私が勝手に決めた。但し、我が家の財政は豊かで無いことを考慮して出来るだけ高速を使わないという制約付き。

幕張から京葉道を市川まで。行徳に住んでいた頃良く使っていたインターを江戸川沿いに北上し、松戸、三郷を経て外環を大泉まで。地図を持たなかったので、実際は和光で降りたほうが正解だったかもしれない。そこから一般道。適当に走り、飯能で299号線。飯能から奥武蔵の正丸峠を越え、秩父へ抜ける山道だ。ここを走るのは少なくとも15年以上無かった。かつて、長野方面へツーリングする時には、峠の上でひと休みするのが定番だった。299号は長野の川上村まで続いている。現在は立派なトンネルも出来、峠に登る車は殆どいない筈だ。

そのトンネルを抜けると、下り道。秩父市へ。その前に芦ケ久保という西武鉄道の駅近くの駐車場で休憩。脇を流れる川が寒々していた。日差しは強い。雲ひとつない絶好の行楽日和。風も無い。秩父から140号に分岐し、荒川上流に入る。荒川村で渓流になる荒川をまたぐ。ここはかつて友人と来たことがある。

近年、「道の駅」という道路公団だかなんだかが経営するドライブインのでかいやつが津々浦々にあるのだが、荒川村にもあった。こんなところに?という意外なところにある。雁坂道(140号)の開通のタマモノかもしれない。ここで昼食。手打ち蕎麦を食べる。12時を少しまわったくらいか。

天気は相変わらず上々。しかし、車から降りると寒い。荒川村から更に奥にもうひとつ村がある。ここが山梨、東京と隣接した大滝村である。奥秩父の最も深いところだ。三峰神社もある。折角ここまで来たのだからと、三峰神社にも寄ることにした。以前は有料道路だった三峰スカイラインも名前すら無い一般の道路になっていた。しかし、交互通行のトンネルを越え、秩父湖(ダム)の上を通り、急勾配を登ってゆくルートはダイナミックだ。だが、頂上(三峰神社)の駐車場についてがっかり。しっかり駐車料金500円を取られる。仕方無い。

そこから神社はすぐ。古い立派な神社だ。隣接したところに大きな宿泊所がある。4、5階建てのホテルのような景観だ。ホテルは別にしても、今夏訪れた山形の羽黒神社を彷彿させる。杉の木立が素晴らしい。三峰から一気に下り、再び元来た道を引き返す。栃谷方面へ140号は続いているものの、山梨へ抜ける道は中津川のほうから。途中、両神山への道があるが、通行止めと書いてあった。確か20年前も通行止めだったような気がする。凄い荒れた道だ。そう考えてみると、この辺りは何度も来ているのだ。

中津川から、再び高度を増してゆく。途中ダムの工事現場を横切り、巨大なループ橋を通り、いくつかの長いトンネルをくぐると、やっと山梨への入り口、雁坂トンネル。長いトンネルだとは想像していたが、おそろしく長い。4、5キロはありそうな気がした。さぞや難工事だっただろう。気温は4度まで下がった。トンネルの出口で、料金所があった。710円。高い。しかし、これだけの長いトンネルだから仕方ないのか。ただ、帰りもこのルートなので、きつい。

どうにか山梨県に入ったが3時をまわり、陽が傾いてきた。なんといってもこの季節、一番日が短いのだ。すると、もうひとつの目的、富士山を見るというのがきつくなる。慌てて塩山方向へ下る。雁坂トンネルからの下りは角度的にずっと富士山が見えなかった。西沢渓谷の入り口、広瀬ダムを過ぎ、徳和方向に右折してみる。以前行った乾徳山の途中から富士が見えたのを思い出したからだ。しかし、徳和の部落からは見えないことが判明。やっぱり、乾徳山に登らなくてはならないのか、とがっくり。慌てて140号に戻る。

三富の川浦温泉を通り、今度は大弛峠への林道へ通じる塩平方向への分岐に入る。確か、あの牧場あたりから富士が見渡せた筈だ。息子は、もうそんなことはどうでもよいというように、温泉に入りたいと叫んでいた。急速に太陽が落ちてくる。塩平までの道は長い。そして民家が全く無い。急勾配を唸りを上げMPVが疾走する。重い図体を良く引っ張る良いエンジンだ。

この山域は懐が深いので、なかなか開けたところに着かない。途中の焼平という峠もあるが、富士の方向へは奥秩父の前衛の山々が邪魔をして太陽さえ遮っている。すっかり葉の落ちた落葉松林が寒々しい。晩秋ならいざしもこの季節にこの周辺に来たのは初めてだ。折角ここまで来たのだから、せめて塩平まで行きたい。だが、時間も燃料も残りが少なくなってきた。私は、とっさの判断で乙女高原と書かれた方向へ車を走らせる。こちらのほうが圧倒的に富士山を見る確率が高い。

約2km走ると落葉松林の間から雪を抱いた富士が見え隠れした。ほら、あれが富士だと、私は何度も叫んだのだが、息子も妻もすっかり疲れ果てて、あまり感動していなかったようだ。雁坂道の思い入れや、慣れ親しんだ奥秩父。その背景がなければ、見え隠れする富士は別に珍しいものではないかもしれない。

富士は乙女高原の駐車場からは見えなかった。車を止め、外に出る。寒い。摂氏1度くらいだろうか。それとも氷点下だろうか。三峰神社境内でも霜柱があったので、当然こちらにもあるだろう。白樺林を背後に記念写真を撮る。寒いと叫びながら妻はクルマに戻る。仕方無いので、一旦下がる。再び富士の見える場所に車を止め、写真を撮る。冬枯れの木々の向こうの富士が一層寒そうに見える。息子はそんなことはどうでもよい、早く温泉に入りたいと騒ぐ。

一旦燃料補給の為140号のJAスタンドまで戻る。もう日暮れて、辺りが暗くなってきた。最後に塩山市の郊外で夕景の富士を三脚を立てて撮り、家路に着くことにした。ただ、温泉に入る約束もある。秩父方面にもなかなか良い温泉があるが、最初に遭遇する川浦温泉にした。140号脇の白龍閣という温泉旅館。笛吹川沿に1軒ぽつんとある旅館だ。ちょうど団体客が帰るところで、ラッキーだった。

息子と二人で広い湯舟にゆっくりつかる。露天風呂も良かった。笛吹川のせせらぎが聞こえる。あったまって、ロビーに行くと、ほとんど同じタイミングで妻もあがってきた。本来ならばビールをきゅーっとやって、糊の効いた布団で、はいおやすみなさい、なのだが、明日は仕事だ。悲しい。少し休み、再び奥秩父を越える。真っ暗な山道だが、雁坂トンネルのお陰で対向車も時々あった。サンルーフから満天の星が見える。途中で車を停めて息子と星を見る。気温は氷点下1度。真っ暗なのに、まだ6時半だった。

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