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ベイタウン旅行倶楽部
SL南房総号 (Nackyのmixi日記より)


付き合いの古い友人は、自分は車やバイクはまあインチキ専門家として、自転車は趣味として、それに加え鉄道も好きなことは周知の事実であろう。要は、ノリモノ系が死ぬほど大好きなのである。そんな自分は「南房総にSLが走る!」と聞いただけで、もうじっとしていられないのだった。

実は去年もSLが走ったのだが、多忙で観にいくことができなかった。去年は内房線だったが、今年は家内の実家の千倉を通る外房線を走るとあって、テンションは上がりっ放し。本当は休日出勤しなければならない状況だったのだが、強引に休んで嫁の実家にいそいそと出かけた。(ISUちゃんINAちゃん、ゴメン!許してくれ!)実家についてみると、元国鉄マンである、普段はおとなしい義父もハイテンション。何でも、元国鉄マンとして運営スタッフを任されたのだとか。背中に大きく「STAFF」と書かれた、グリーンのジャンパーとキャップが眩しいぜ!

土曜の朝、館山から勝浦に向かうSL便を観に、早速千倉駅に行ってみる。実家は駅前なので、アクセスも楽々。木枯らしが吹きすさぶホームで待っていると、遠くから哀愁漂う汽笛が!来たー!!朝の便はDE10型ディーゼル機関車が牽引し、SLは最後尾となる(ターンテーブルが無いため)ので、ホームの最後部は黒山の人だかりだ。繋がれたSLは、デゴイチの愛称でおなじみのD51型の498番。JR東日本内のSLといえば大体コイツなので、だいぶ前にも北関東でコイツに会っているのだが、第二のふるさととも言える千倉で再会できるとは、何とも感無量だ。思えば自分が幼稚園の頃まで、SLは現役として走っていた。両国でよく見かけたSLは、確かC57やC58といった、旅客用のスマートな型だったと思う。それにくらべD51は、ガッシリとしたボイラーとテンダーを持つ、男らしいスタイル。これぞまさしく、ジャパニーズスタンダードなのである。しかし、客車が中途ハンパにモダンな12系なのがちょっとな〜。(←実は12系客車も見た目以上に古く、今では充分に貴重な存在)


石炭の燃えるニオイや蒸気を吹き出すドラフト、そして深呼吸のような汽笛音は、まるで鉄でできた巨大な生き物のようである。機関士さんと話をしてみたところ、日によってムチャクチャ調子が違うので、ボイラー温度や水量、蒸気圧を細かく調整しなければならないとのこと。しかも、日本のSLにはベアリングが使われていない(当時の日本にベアリングの技術が無かった!)ので、見ていても足まわりへの注油は非常にタイヘンそうである。石炭や水はバカ喰いするし、ススや黒煙を大量に吐き散らし、人手もかかりまくるのに遅くて重くて気分屋。そんな厄介者だったSLが、現代ではこれだけの求心力を持つ貴重な文化財として、僕らの目の前にいるのだ。復活させ維持していく人々に感謝しなければならない。

朝には牽引されバックで去っていったD51が、午後には力強く客車を引いて再び千倉のホームに帰ってきた。爆音で汽笛を鳴らしながら(5kmぐらい離れても聞こえる)、シリンダーから大量の蒸気を吹き出している。本当に生きているようだ。ふと見ると、ホームではスタッフの義父が忙しく動き回っている。ホームにいる見物客、乗客、そこにいる全員が笑顔なのである。そんな笑顔に囲まれ義父も嬉しそうだ。ススで顔が真っ黒になった機関士さんの笑顔も誇らしい。千倉駅にこんなにたくさんの人がいる風景って、初めて見たよホント。しかし、この感動というべきか感慨を、上手く文章にすることができない。家内が生まれ育った場所、しかも今は自分も大好きなこの南国の地に、かつてはそこら中に走っていたが今では現実味のまるで無いSLがいる。普段はおとなしく、今ではJRを定年してしまった義父もイキイキと働いている。列車が行ってしまっても、丘にこだましていつまでも聞こえる汽笛。


その日の夕方は、感慨に浸りながら実家からノンビリと港まで歩いた。片道40分の距離であるが、途中でお気に入りのカフェに立寄りながら、帰路は暗くなりかけてグッと冷えだしたビーチを歩いてみる。極寒の中で練習するサーファー数人と、膝を抱えて座りながら待つサーファーのガールフレンド、灯り始めた港のライトと宵の明星。夕闇が包む海岸線は、一幅の絵画のように素晴らしい。その夜は、平日に仕事で疲れ果てた身体が言うことを聞かず、早々に眠りについてしまった。

そして翌朝もSLを観に千倉駅まで。昨日の機関士さんとは違ったが、大きな石炭を幾つか分けてくれた。より燃焼効率の良いコークスを使えるようにしたSLも多いが、D51-498はちゃんと石炭で走るのである。この日のランチは実家の近所にできた、石窯焼きピッツァの「Indy」に。ここのご主人は義兄の同級生で、以前は石窯を仕込んだ車で出張販売していた。前にも食べたがサイコーに美味いので、近所にいつでも食べにいけるようになったのは嬉しい!生地は外側はカリッと香ばしく、中はモチモチで耳の厚いナポリタイプ。香ばしい薪の香り、こだわりの具材とトマトソースも美味しく、全体的にはアメリカンスタイルなのだが、ナポリタイプとアメリカンの両いいトコどり。真新しい店内には、自分も大好きなダートラ風にカスタムしたハーレーSportSterが飾ってあり、ウッディで居心地もいい。バイクツーリングの目的地にするのもいいね。

しかし、さすがに日曜はハンパではない人出だ。通過音も聞きたかったので、午後の復路列車は沿線で撮ることにした。嫁に地元民しか入れないような場所を案内してもらい、カメラを持って出かけてみた。今日は、街の人もみんなSLの話題でもちきりだ。ハナタレのガキんちょから女子高生、腰の曲がったお婆ちゃんまで、笑顔でSLが来るのを待っている。しばらくすると、遠くで汽笛の音が!通過する列車を上手く撮影するのは難しいのだが、そこはむしり取った衣笠、じゃなく昔とった杵柄で、素晴らしい写真を撮ることができた。

急いで千倉駅に引き返し、大活躍だったスタッフの義父に敬意を表したあとは、そう、急いで帰って仕事に行かなければならないのである(泣)。しかし、これが甘かった…この季節の千倉は、花つみの観光客が押し寄せるのである。しかもSLフィーバー、その上に菜の花マラソンも開催されたので、田舎道があり得ないほどの大渋滞!いつも高速道路で90分の道のりが、結局渋滞に阻まれて着いたのは夜。こんなんじゃ仕事に向かう気力も無い。仕方ないから、月曜は超早起きして出社しようか。汽笛の音と石炭のニオイとたくさんの笑顔を思い浮かべ、幼少の頃に乗ったSLで、トンネルの度に真っ暗になると怖がる僕に、マッチを摺って灯りをつけてくれた優しい婆ちゃんの遠い記憶を思い出しながら、今日は早く寝よう。

千倉・窯焼きピッツァ「Indy」
http://www.h2.dion.ne.jp/~indy87/


2008/1/28 写真&文 : Nacky

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Nackyさんについて(Mixiから自己紹介)

趣味は“楽器とバイク”という、昭和の不良高校生のようなジジィです。休日はバイクor自転車に乗るかイジるか、野外ライブをするしか過ごし方を知りません。よって、雨の休日は廃人です。

 とにかく2つの車輪しかない不安定な乗り物が大好き。モーターサイクルやMTBでムチャ走りをしての生キズが絶えません。また、ギターやベース、ピアノなどの楽器を与えると制止されるまで弾き続け、自作のヘンテコな曲をその場で作りながら歌い続けます。ロックやファンク、ジャジィな曲やクラブ調もOK!ジジィはジジィでも、スーパージジィを目指して日夜努力中。若い女性からはモテないが、オバちゃんやガキんちょ、オカマに対してはいつも爆発的なパワーを発揮します。家庭や仲間うちでの呼び名は「人間に最も近いサル」。

※僕等のバンド「Blue Color Union」では、女性ボーカリストとドラムorパーカッション(男女問わず)を募集中!ボーカルは、僕のオリジナル曲(日本語詞&英詞)を、ご自分の解釈で表現できる、ウィスパーからパワフル&ソウルフルまで歌える音楽性の幅広い方を希望します。もちろんオリジナル曲の持ち込みもOK!ばっちりアレンジします。ドラムはパワーよりもグルーヴを大切にできる方がいいなあ。(ライブ活動は頻繁です)

 仕事では長年関わっていたHonda F1の仕事を辞し、イタリア車の広告制作を経て、現在は港区の某広告代理店のクリエイティブディレクター。なんだか偉そうに聞こえるが、要は宣伝を作る上での何でも屋さんです。元来クルマ/バイク/レースのスペシャリストですが、今はなぜか女性下着のスペシャリスト。ご面倒な広告制作の仕事、よろず引き受けますのでご指名ください。
 


 
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